先生が目的や選択肢、答えを教える「ティーチング」ではなく、生徒の自己選択、自己決定を促す「コーチング」を教職員の基本スキルの一つとして重視しています。明蓬館高校では、生徒が「モチベイティブ・ラーナー」として主体性を持ち、実行力を身に付けることを大切にしています。
明蓬館の先生・コーチのコンセプト
「コーチング」は主に「傾聴」「承認」「動機づけの3つのスキルを重視しています。生徒に対して絶えず「イコールパートナー=対等な立場」でコミュニケーションを行います。
例えば、生徒が目標達成に向けて努力をするとき、具体的なプロセスや注意点、ポイントなどを挙げて「xxしなさい」、「xxするといいよ」と、指導、助言するのに対し、「コーチング」では、まず生徒の意見に耳を傾け、質問によって「現状」「現実」と「生徒本人の認識」を聞き出し、生徒自らが「目的」「目標」を立て、そのための行動計画、スケジュールを立てられるよう、サポートします。その後は、「フィードバック」を欠かさず、生徒自身の成果に対する認識を傾聴、承認し、自己評価を確認し、求められれば客観評価についても意見交換し、共有していきます。
明蓬館高校の先生は、生徒たちの目標達成に向けて、生徒自らが課題を発見し、解決する力を引き出す「支援者と伴走者」に徹する。それが私たちが考える「コーチング」です。
先生の特徴
明蓬館高校の完全担任制の先生は「コーチング」の手法を採用し、「決まった答えを教える」のではなく「生徒が自分で考え、選択する」手助けをしています。
先生は、「あなたが自己選択、決定、実行するのを支援、伴走する人」なのです。
例えばスポーツのコーチは、自分が選手を引っ張って走るのではなく、選手それぞれの特徴を伸ばして記録につなげたり、勝利に導くことができるように、必要であればアドバイスもします。頑張っているときは励まし、気力が弱ったときもそばにいます。明蓬館高校の先生もそうしたコーチの姿と似ています。
明蓬館高校では、同じ学校運営法人が最初に開校して運営する「東京インターハイスクール」が提携する、コーチング発祥の地であるアメリカの提携校(アルジャー・インディペンダンス・ハイスクール、ワシントン州認可の私立通信制高校)の学習コーチングノウハウを、日本の教育風土に合わせてアレンジしてきた背景もあります。
コーチングの特徴
誰しも経験したことがあるように、人から言われて受動的にやることより、自ら選択し、決定し、自主的・自発的に考え、動いた活動の方が、パフォーマンスの質・量が向上し、ともに良い結果をもたらしたり、良い経験として記憶に残りやすいものです。
「コーチング」とは、「すべての答えは生徒の中にある」と言われるとおり、コーチの質問技術により生徒の自主的・自発的な行動を促し、生徒自ら目標達成をするための「支援コミュニケーション」と捉えられています。
よって、明蓬館高校の先生は生徒に対してむやみに行動を指示したり、行動を批判することもありません。優れた質問を繰り出せる人になれるよう努めています。そして、質問するだけでなく、支援し、伴走していくのです。