明蓬館高校ではテストだけではなく、マイプロでも成績評価(単位認定)をしています。どんな生徒にもテストでは評価しきれない「才能」「知識」「学力」があるからです。生徒自身の興味関心にもとづいて学習することで、楽しく学ぶことができます。
マイプロとは
1年を通して、自ら「学習テーマ、学習目的、学習成果、そのための実現行程・手段、協力を仰ぐ他人と具体的な仰ぎ方」を決め、マイプロとして取り組みます。
マイプロ成果物の形はワークブック、ノート、研究レポート、模擬試験、検定試験、ブログ、また絵や工芸、動画、ゲームなどの作品、 スポーツ、歌やダンスの実技、人前でのプレゼンテーション、コンテスト・コンクールなどへの参加、他の生徒や他校の生徒との共同プロジェクトなど多岐にわたり、生徒の「好き」をモチーフにしたワクワク・ドキドキの感覚や挑戦を応援します。
マイプロを通して学んだことを記憶と経験として活かし、学校卒業後も主体的学習者として社会的自立へとつながっていきます。
マイプロアワード
マイプロアワードでは、1年を通して全国の学習センターで生徒が取り組んだマイプロを評価、表彰しています。
生徒の学びを讃えることで次年度の学びへとつなげる場であり、他の生徒のマイプロに触れることで互いを応援し合う機会にもなります。
生徒たちの多様な成果が一同に会するマイプロアワードは、明蓬館高校ならではの学びの総決算といえます。
開催の目的
・毎年2月に開催するマイプロ・アワードは、生徒ひとりひとりが主体的に取り組んだ「マイプロ」を評価、表彰することで、学びへの 探求心を前進させ、マイプロへの取り組み意欲をさらに向上させる機会とする。
・全国の学習センターで学ぶ「モチベイティブ・ラーナー」「インディペンデント・ラーナー」たちの学び(マイプロ)に触れ、それぞれの学びを励まし、応援し合う機会とする。
全国の学習センターの推薦を受けたマイプロは、各教科担任の審査を経て、①課題解決型 ②知的発見型 ③創造型 ④総合型に分類され、外部の審査員も交えた最終審査会の審査を経て、選ばれ、表彰されます。
マイプロアワードの上位受賞作品の例
- 「体の動かし方を知る」
- 「高三の作曲マニュアル」
- 「身の回りに潜んでいる小さな発見」
- 「美容系YouTubeはじめました」
- 「僕の通過儀礼」
- 「絵本 芸をする猫」
- 「マイブロ」
- 「トンボ(ヤンマ科)の色残し標本」
- 「目指せ!!カラオケ90点 〜音痴な私の挑戦記録〜」
- 「絵はがき制作 1枚のはがきに思いを込めて」
- 「タイピングゲームの開発」
- 「小梅ちゃん(明蓬館高等学校校章)の数式化」
- 「染色の化学」
- 「自分が好きな漫画から見る時代背景」
- 「ポケモンが現実でいたらどうなるか」
- 「本当に平等な世界とは」
- 「折り紙作品」
- 「自分でお金を作るには」
- 「物質の三態のその他」
マイプロアワードの佳作の例
- 「驚き!誰でもピクトグラムを作れる方法!!」
- 「天才すぎ!自然界を参考に作られた物まとめ」
- 「充電台設計(CAD)・模型作成」
- 「パスタについて」
- 「プラスチック問題について」
- 「Fateのエクスカリバーを作る」
- 「決めた金額でのジオラマ作り・経緯・動機」
- 「オリジナル楽曲の作成」
- 「将棋について」
- 「支配の仕方」
- 「駄菓子屋インタビュー」
- 「野球の楽しみ方」
- 「再翻訳で広げる言語の面白さ」
マイプロアワードの教科部会賞の例
- 「エッセイを書いてみた!」
- 「16分体操の考案」
- 「線質の調和による表現に挑戦」
- 「英語の歌の聞き取り」
- 「見て楽しい 食べておいしい 季節のワンプレートごはん」
- 「プログラミング作品」
審査委員長の総評(2022年度)
私はマイプロアワードの審査員としてノミネートされた作品に出会うのが楽しみで仕方がない。なぜなら「マイプロ」の名に違うことなく、「マイ=自分ならではの」好奇心を素直に発揮した「プロジェクト=たくらみ」の数々に「そうきたか!」と心から感嘆させられるからである。
今年の作品すべてに強く感じたことは「成長するためのたくらみ」になっているということだ。教科の内容に基づいているものもあれば、社会や自分自身の課題からスタートしたもの、純粋な知的好奇心から始まったもの、実体験や実物制作に至ったもの、それらを複合したものなどプロセスもアウトプットも様々なのだが、マイプロに取り組むことでこれまでの自分から新たな自分へと着実に変化・成長していることがはっきりと伝わってきた。
最初は、たまたま出会ったことからスタートしたかもしれない。ちょっとした軽い興味から始まったにも関わらず、調べたり、つくったりしているうちに次第にはまってゆく。その結果として成長してしまっているのである。なんとなく気になることを、とりあえず始め、あてもなく歩むこと。そのプロセスで、気になったことをひたすら調べたり、試したりしてみること。その果てになにかが生まれるのであり、始めからたいそうなことを目指さなくていい。とにかくあれこれ試し、記録し、表現することがなにより大事だということを体感したのではないだろうか。
したがって、マイプロには終わりがない。終わりは次の始まりであり、一生続く学びのプロセスの通過点に過ぎない。とはいえ、こうした通過点があるからこそ、自分がどこまで到達し、まだ到達していないのかが明らかになる。その点で言えば、面白い切り口を見つけることについてはかなりいい線に到達している。着眼点はよし!なのだ。一方で相手を「なるほど!」とうならせるポイントについてはまだまだ甘い。面白いけれど納得まではいかないのだ。ではどうする?引き続き、あれこれやってみて、ひたすらふりかえり、誰かにフィードバックをもらうしかない。そうすれば、やがて「マイプロフェッション=私の生業」へと進化してゆくだろう。ぜひ引き続きチャレンジを続けてほしい。
マイプロアワード:総評 審査委員長:副理事長 市川 力